前回は、粉砕機の密閉容器の重要性と、ゴムパッキン・Oリング・ラバーリングの違いについてご紹介しました。
今回は、実際の交換方法やメンテナンスのポイント、長持ちさせるコツを詳しく解説します。
1. 密閉部品の交換タイミング
粉砕容器の密閉部品は消耗品です。劣化すると密閉性能が落ち、粉砕効率や安全性に影響が出ます。交換の目安
| 部品名 | 目安 |
| ゴムパッキン(標準品) | 弾力が低下した、粉漏れや汚れが付着している場合 |
| ラバーリング(TI-100型用) | 裂け・欠け・粉漏れを確認したら交換 |
| Oリング(TI-300型用) | 表面に傷や摩耗が見えたら交換 |
ポイント
:目に見える劣化だけでなく、粉砕効率や粉漏れの兆候が出たら早めに交換してください。
2. ゴムパッキンの交換手順
ゴムパッキンは標準品で消耗品のため、定期的な交換が品質維持には欠かせません。
交換手順は以下の通りです。
・粉砕機の電源を切る
安全のため、必ず電源オフで作業します。
・容器を取り出す
粉砕終了後、本体から取り出します。
・古いゴムパッキンを取り外す
接着剤や汚れが残っている場合は、綺麗に取り除きます。
・容器の洗浄・乾燥
粉末や水分が残らないようにしっかり洗浄・乾燥させます。
・新しいゴムパッキンを貼り付ける
接着剤を使用して、新しいパッキンを正しい位置に貼り付けます。
貼り付け後は蓋を閉めて密着状態を確認します。
・テスト運転
粉漏れがないか軽く振って確認してから通常運転を開始します。
3. Oリング・ラバーリングのメンテナンス
◇Oリング(TI-300型用)
溝にしっかりはめ込み、傷や摩耗がないか確認。必要に応じて交換。
◇ラバーリング(TI-100型用)
裂け・欠け・粉漏れを確認。異常があれば交換。
◇共通ポイント
使用後は洗浄・乾燥を徹底し、直射日光や高温を避けて保管すること。
4. 長持ちさせるコツ
使用後は必ず洗浄・乾燥
直射日光や高温を避けた保管
定期点検の習慣化(目視で月1回程度チェック)
予備部品の常備で突発的な交換に備える
これらを実践するだけで、粉砕作業の安全性と効率が大きく向上します。
5. まとめ
粉砕容器の密閉部品は消耗品で、定期的な交換が品質維持のカギ
ゴムパッキンは古い接着剤を取り除き、容器を洗浄後に新しいものを貼り付ける
Oリング・ラバーリングも定期点検と交換で長持ち
使用後の洗浄・乾燥、保管環境の管理が重要
💡 次回予告
次回は「粉砕後のサンプル管理と分析準備のポイント」を写真付きで解説予定です。
粉砕だけでなく、サンプルを活かすための知識もぜひチェックしてください。
ご不明な点、もう少し詳しく知りたいなど、お気軽にお問い合わせください。



