【製品コラム】粉砕後の粒度評価とその重要性 ― 分析精度を支える前処理のポイント
こんにちは。株式会社シー・エム・ティの本田です。
今回は、試料粉砕機を活用した前処理の中でも特に重要な「粉砕後の粒度評価」について解説します。
(前回ブログ「粉砕容器の選び方」もご覧ください)
日々の品質管理や研究開発において、なぜ粒度管理が重要なのか、どんなポイントを確認すれば良いのかをまとめました。
■ なぜ粒度評価が必要なのか?
粉砕の目的は単に「材料を細かくする」だけではありません。
本質的には、「粒度を揃えて均一で再現性の高い状態」にすることが大切です。
例えば:
分析結果を安定させる
→ 粒度を揃えることで、試料分割や前処理のばらつきを減らし、分析値の再現性を向上させます。
溶解・反応速度を揃える
→ 粒が細かいほど表面積が増え、化学反応や溶解が早く進みます。
逆に粒度がバラつくと、一部だけ先に溶けたり反応したりして、ムラが生じます。
均一な粒度に粉砕することで、溶解や反応を計画通りに進められます。
焼結や混合の歩留まりを向上させる
→ セラミックスや金属粉末などを焼結する際、粒度が揃っていると均一に溶融・接合が進み、欠陥を減らせます。
また、配合や混合時のムラも抑えられ、製品の歩留まりを改善します。
■ 粒度分布のバラつきが生む課題
もし、同じ試料でも粉砕条件が不十分で粒度にバラつきがあると:
✅ 分析値が再現しにくい
✅ 溶出・溶解試験で反応差が出る
✅ 配合や混練時にムラが出る
など、下流工程全体の信頼性を低下させるリスクがあります。
■ 粒度評価の基本手法
粉砕後の粒度を確認する方法には、以下のようなものがあります。
● ふるい分け法
シンプルで実績のある方法。
粒度分布を段階的に把握でき、現場での管理に適しています。
● レーザー回折法
より詳細で連続的な分布を計測可能。
微粉末の粒度管理に強みがあります。
● 顕微鏡観察
形状や凝集の様子を直接確認。
定性的な補助データとして有効です。
■ シー・エム・ティの粉砕機によるアプローチ
弊社の試料粉砕機は、粒度分布の安定化を重視した設計です。
高い粉砕効率で処理時間を短縮
粉砕条件の再現性を重視した構造
コンタミを抑える材質バリエーションをラインナップ
分析の精度を上げるには、ただ細かくするだけでなく「均一に、再現性高く」粉砕することが大切です。
■ お客様からの声
「粒度が安定したことで、分析値のバラつきが減った」
→ 材料メーカー 品質管理部門 様
「前処理時間を短縮できたので、分析作業が効率化できた」
→ 研究機関 様
■ おわりに
粉砕後の粒度評価は、粉砕工程を「なんとなくの前処理」から確実な分析準備へと変える重要なステップです。
弊社では、試料特性や分析目的に応じた粉砕条件や容器材質のご提案を行っています。
粉砕作業や前処理でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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📌 次回予告:「試料粉砕機のメンテナンスと長寿命化のポイント」
どうぞお楽しみに!
株式会社シー・エム・ティ
― 分析の“前”を支える技術 ―
