前回(ブログはこちら)は、弊社の試料粉砕機をご紹介しましたが、今回はそれとセットで使用する
**「粉砕容器(サンプルチャンバー)」**に焦点を当て、用途に応じた選定ポイント💡を解説いたします。
💡なぜ「粉砕容器の選定」が重要なのか?
粉砕作業において、「本体性能+容器選定」が精度と再現性を大きく左右します。試料によっては容器材質からの微細なコンタミネーション(異物混入)や摩耗が発生する可能性があり、適切な材質を選ぶことで、分析データの信頼性を高め、装置寿命も延ばすことができます。
💡容器選定のポイントはこの3つ!
① 試料の硬さ・性質💪
硬い材料(例:鉱石・セラミックス)には高硬度材質が必要です。一方、柔らかい試料や有機物にはコンタミに配慮した材質が推奨されます。
② 分析手法との相性👌
例えばXRF分析では、容器材質に含まれる元素が分析対象に影響を与える場合があります。そのため、材質と分析目的のマッチングが重要です。
③ 使用頻度とコスト🌟
高耐久材質は粉砕効率に優れますが、使用頻度や対象試料に応じて必要十分な材質を選定することが、コスト面でも合理的です。容器材質別の特徴比較 ※一例です
材質 |
特長 |
適した材料 |
注意点 |
ステンレス(SUS) |
標準的。耐食性も良好 |
金属、樹脂など幅広い材料 |
硬い材料では摩耗・軽微なコンタミの可能性あり |
アルミナ(Al₂O₃) |
非金属・非磁性で耐熱性あり |
有機物、食品、医薬試料など |
衝撃に弱く、破損に注意 |
タングステングカーバイド(超硬) |
非常に高硬度・高耐久 |
鉱石、セラミックス、金属粉末 |
微量元素分析などでは材質由来のコンタミに配慮が必要 |
🔎タングステンカーバイド製容器について
タングステンカーバイド(WC)は、非常に高い硬度と耐摩耗性を備えており、硬質試料の効率的な粉砕に適した材質です。ただし、分析対象や分析手法によっては、容器から微量の成分(WやCoなど)が混入する可能性もあるため、微量元素の分析やコンタミに敏感な試料の場合には、あらかじめ考慮いただくことをおすすめします。
適材適所で使用することで、タングステンカーバイドは非常に信頼性の高い容器材質としてご活用いただけます。
🔎C.M.T製 容器の特長
弊社の粉砕容器は、清掃性に優れた構造と耐久性の高い素材を採用しており、試料の再現性向上に貢献します。また、ラバーリングやゴムパッキン+止め金具による密閉構造により、作業時の飛散や環境中への漏洩を防ぎます。
🔎※ご確認してください🔍
粉砕容器へ投入する試料(サンプル)の量につきまして、別ブログに詳しい説明がございます。この機会に改めてご確認をしてみて下さい。
「粉砕容器の容量について」
おわりに
容器材質の選定は、粉砕精度や分析結果の信頼性を大きく左右する重要なポイントです。「標準容器で問題ないと思っていたが、測定値にばらつきが出る」といったお悩みは、容器の見直しで解決できることも少なくありません。
弊社では、試料特性や分析目的に応じた材質のご提案も行っておりますので、
ぜひお気軽にご相談ください。⭐
お問い合わせはこちらです
📌 次回は「粉砕後の粒度評価とその重要性」について予定しています!
株式会社シー・エム・ティ
― 分析の“前”を支える技術 ―
